発展:状態フィードバックとオブザーバ

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温度だけで足りるモデルもありますが、運動には位置と速度が必要です。位置しか測れない場合、どう制御するのでしょうか。動的モデル、極、基本的な行列演算を使います。

二つの一階方程式

単位質量で減衰のない対象に対し、、と置くと、

第1行は位置変化率が速度、第2行は速度変化率が加速度であることを表します。測定出力が一つでも内部状態は二つです。ここでは出力行列であり、前章の制御器伝達関数とは別です。

可制御性と可安定性

可制御行列はで、本例は

となり、ランク2です。入力が両状態に作用できます。ただし無制約の線形モデルでの有限時間到達性であり、有限の操作量で任意に速く移動できるとは限りません。

、なら、第2の不安定状態には入力が届きません。第1成分の帰還を強めても安定化できません。安定化だけなら、不可制御モードがもともと安定である「可安定性」で足り、完全可制御性より弱い条件です。

状態フィードバックの極配置

とすると、の特性多項式は

極を−1と−2に置くにはに合わせ、とします。位置項が原点へ戻し、速度項が減衰を与えます。これは原点へのレギュレーションです。非ゼロ目標には実現可能な平衡とフィードフォワード、または積分の追加が必要です。

可観測性とオブザーバ

可観測行列は位置測定の場合、

でランク2です。一瞬の位置だけでは速度は分かりませんが、既知の入力と位置の時間変化から情報を得られます。速度だけを測るではランク1で、初期の絶対位置のずれが見えません。

雑音のある位置を差分すると雑音が増幅されます。オブザーバはモデルで予測し、測定との差で修正します。

正確なモデル・雑音なしでは、誤差がに従います。なら誤差の極は−4、−5です。

図を準備しています
発展:状態フィードバックとオブザーバ · 実験

二重積分系、K=[2,3]、真の初期状態[1,0]、推定[0,0]。L=[2α,α²]で重極−αです。測定雑音はsin(30t)で白色雑音ではなく、操作に制限はありません。

真の初期状態は位置1、速度0、推定初期値はゼロです。で制御します。推定の速さを変えて状態と操作を比較します。雑音オプションは再現可能な固定正弦波であり、白色雑音ではありません。

分離原理の保証範囲

状態では

ブロック三角行列なので固有値は制御系と推定誤差系の極を合わせたものです。正確な無制約LTIモデルでは別々に設計できます。飽和、モデル誤差、遅れ、雑音まで同じ性能を保証するものではありません。

速いオブザーバは通常、測定修正ゲインが大きくなり、推定値や操作に雑音を通しやすくなります。Kalmanフィルタは過程・測定雑音の共分散を使い、最適性はモデルと統計仮定に依存します。不可観測モードが安定なら漸近推定を許す条件を可検出性と呼びます。

理解を確かめる

速度だけで静止物体の絶対位置を知れますか。

考え方

位置が違っても速度が同じなら同じ出力になります。位置基準を加えるか、不可観測状態として扱います。

の極はどこですか。は無限に大きくすべきですか。

考え方

特性式はで重極です。ゲインがとで増えるため、雑音、離散化、モデル誤差が実用速度を制限します。

発展資料

Caltechの講義は帰還と推定を扱います。python-controlのplaceを使う際も、可制御性、重根、数値的制限を確認します。