周波数応答と安定余裕

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ゆっくりした入力には追従できても、速い入力では出力が小さく遅れる場合があります。周波数応答はその違いを整理し、帰還の安定余裕を調べる方法です。伝達関数と極を前提にします。

正弦波で調べる

安定なLTI対象にを加え、初期過渡が減衰した後は

振幅比は大きさ、位相は周期内のずれを表します。角周波数はrad/sで、Hzとの関係はです。なら

では振幅比35.36、位相−45°です。すべての信号に同じ固定遅延があるという意味ではなく、周波数ごとに関係が異なります。

対象からループ全体へ

閉ループ分母は、です。正規化した例として

を使います。対象の時定数は1 sで、前の熱モデルとは異なります。遅れなしの閉ループ極は−3です。むだ時間の応答は振幅1、位相ラジアンです。

ゲイン交差はなので rad/sです。遅れなしでは位相−60°、位相余裕120°です。遅れを加えると

0.5 sでは約70.4°、最初にゼロになるのは約1.209 sです。この開ループ安定・単一ゲイン交差の例では、最初の不安定化境界になります。任意のループに適用できる式ではありません。

図を準備しています
周波数応答と安定余裕 · 実験

ループL(s)=2e^(−τs)/(s+1)。縦の破線はゲイン交差√3 rad/sです。むだ時間は振幅を変えず位相を遅らせます。正弦波はループ自体の定常応答です。

遅れを変えると振幅は変わらず、位相だけが下がります。縦の印がゲイン交差です。観測周波数を変えて正弦波定常応答も確認します。位相曲線は−180°で折り返さず、連続して表示します。

Bode線図、ゲイン余裕、Nyquist

Bode線図はと位相を対数周波数軸に描きます。0 dBは振幅1、−6.02 dBは約0.5です。ループゲインは無次元で、単位付き対象のゲインには基準を明示します。

位相交差では位相が−180°となり、ゲイン余裕は、dBではです。有限の位相交差がなく余裕が無限大と表示されても、未知の遅れを無制限に許容できるわけではありません。

Nyquist判別法は右半平面を囲む経路の像を追い、−1点の周回と開ループ不安定極から閉ループ不安定極を判断します。への偏角原理に基づくため、経路方向と虚軸極の回避を明示します。開ループ不安定、多重交差、隠れた内部モードがある場合、一つの正の位相余裕だけでは不十分です。

帯域は取捨選択を含む

交差周波数を上げると応答を速くできる場合がありますが、同じ遅れの位相損失が大きくなり、雑音や未モデル化の高周波モードも重要になります。対象の帯域、ループ交差、閉ループの閾値帯域は別の量です。

位相余裕だけを最大化せず、速さ、外乱抑制、操作制限、ロバスト性を比較します。制約とロバスト性で感度関数から各経路を区別します。

理解を確かめる

に0.5 sのむだ時間を加えるとゲイン交差は変わりますか。

考え方

振幅が1のため変わらずです。それでも位相余裕は120°から約70.4°に減少します。

ツールがgm=2を返したら2 dBですか。

考え方

線形倍率2なら約6.02 dBです。返される量の単位と、どちらの交差周波数なのかを確認します。

発展資料

python-controlのmarginは、ゲイン余裕、度単位の位相余裕、二つの交差周波数を定義しています。複数交差がある場合は全体を確認します。